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3-ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素欠損症

さんひどろきしあしるこえーだっすいそこうそけっそんしょう

3-hydroxy acyl-CoA dehydrogenase (HADH) deficiency

告示番 号47
疾病名3-ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素欠損症
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概要・定義

細胞内に取り込まれた長鎖脂肪酸は、ミトコンドリア内で脂肪酸の炭素長に応じた各脱水素酵素で順次代謝され、1ステップごとに炭素鎖が2個ずつ短くなってアセチルCoAに至り、エネルギー産生に寄与している。
3-ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素(3-hydroxy acyl-CoA dehydrogenase :HADH)はミトコンドリア内膜に存在する酵素であり、他のβ酸化酵素群と協働して中・短鎖アシルCoAの代謝を担当している。以前は短鎖3-ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素(SCHAD)ともよばれていた。
HADH欠損症は、中鎖、短鎖の3-ヒドロキシアシルCoAが蓄積し、血中3-ヒドロキシブチリルカルニチン(C4-OHカルニチン)がおもに増加する。重症例では高インスリン性低血糖が認められる。これは、HADHがインスリン分泌を調節するグルタミン酸脱水素酵素(GDH)を抑制する機能を担っているからであり、HADH欠損症ではGDH活性が亢進した状態となり、インスリン過分泌を引き起こす。
頻度が極めて低く、偽陽性率が相対的に高いため、現在、わが国では新生児マススクリーニングの対象疾患とはされていない。

疫学

非常にまれな常染色体劣性遺伝疾患であり、世界で10数例しか報告されていない。

症状

重症型では新生児期〜乳児期に、インスリン分泌過剰による低血糖をきたし、けいれんにて発症することがある。診断が遅れた例ではその後遺症による発達遅滞や小頭症を認める。残存酵素活性がみられる軽症例では、飢餓時にライ様症候群として発症することがある。

診断

治療

新生児期の高インスリン性低血糖症に対して、ジアゾキシドを投与する。脂肪酸代謝に関しては、基本的に治療を必要としない。

予後

著しい低血糖による重篤な脳障害を予防するためには、早期診断とジアゾキシドによる早期治療が重要である。症例が少なく、予後に関して定見は得られていない。

参考文献

:バージョン2.0
更新日
:2015年5月25日
文責
:日本先天代謝異常学会
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