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シスチン尿症

しすちんにょうしょう

Cystinuria

告示番 号13
疾病名シスチン尿症
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概要・定義

シスチンと二塩基性アミノ酸の輸送系の遺伝的異常が原因となり、尿細管におけるシスチンの再吸収障害が起こり尿路内にシスチン結石が形成される。

疫学

2万人に1人の頻度で発症する。尿路結石の1〜2%を占める。

病因

シスチンおよび二塩基性アミノ酸の輸送系の障害の程度によりI〜III型に分けられる1)。1型は常染色体劣性遺伝し、2,3型は不完全な常染色体劣性遺伝する。Ⅰ型では2番染色体長腕に存在するSLC3A1(rBAT)が、ⅡおよびⅢ型では19番染色体長腕のSLC7A9が責任遺伝子として同定された2,3)。

症状

血尿、腹痛、腰背部痛、尿路感染症状が中心となる。乳児期は無症状である。10〜30歳で発症する事が多く、腎結石により閉塞性腎不全を来すことがある。
 3つの病型間での臨床症状の差異はなく病型診断の有用性は乏しい。最近、責任遺伝子と病態との関連が明らかになり遺伝子型による分類も行われている3)。アミノ酸を経口負荷による血中濃度変化ではⅠ、Ⅱ型ではシスチン・リシン・アルギニンの上昇がないがⅢ型は上昇する。またⅠ型ではヘテロ接合体の尿中アミノ酸排泄は正常であるが、Ⅱ、Ⅲ型ではヘテロでもシスチン・リシンが増加している。

診断

治療

尿中シスチン濃度を低下させ腎毒性を低減するため、1日尿量が通常の2〜3倍とする。特に夜間の尿pH7.4以上に保つような尿アルカリ化(NaHCO3, KHCO3, アセタゾラミド等を使用)を行えば,シスチンの溶解度を有意に上昇させることができる。薬物療法としてペニシラミンやメルカプトプロピオニルグリシンを試みるが副反応も大きいため保存的治療が有効でない場合にのみ使用する。有効性は劣るがカプトプリルも治療に用いられる。

予後

内科的治療が奏功しなければ、最終的には末期腎不全を来す。

成人期以降

結石の予防は大量の水分摂取と尿のアルカリ化が基本であることを繰り返し伝える。

参考文献

1) Rosenberg L E, et al.: Cystinuria. Biochemical evidence for three genetically distinct diseases. J Clin Invest 1966; 45: 365-371
2) Calonge M J, et al.: Cystinuria caused by mutations in rBAT, a gene involved in the transport of cystine. Nat Genet 1994; 6: 420-425
3) Font-Llitjos M, et al.: New insights into cystinuria: 40 new mutations, genotype-phenotype correlations, and digenic inheritance causing partial phenotype. J Med Genet 2005; 42: 58-68
:バージョン2.0
更新日
:2015年5月25日
文責
:日本先天代謝異常学会
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