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リジン尿性蛋白不耐症

りじんにょうせいたんぱくふたいしょう

Lysinuric protein intolerance

告示番 号21
疾病名リジン尿性蛋白不耐症
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概要・定義

二塩基性アミノ酸(リジン、アルギニン、オルニチン)の輸送蛋白のひとつである y+LAT-1( y+L amino acid transporter-1)の機能異常によりおこる、これらの膜輸送障害をおもな病態とする。上記アミノ酸の、小腸での吸収障害、腎での再吸収障害を生じるために、アミノ酸バランスの破綻、蛋白合成の低下を招き、諸症状を来す。

疫学

現在わが国での患者数は30-40人と推定されている。患者はフィンランド、イタリア、日本に集積するが、散発例も報告されている。

病因

本症は常染色体劣性遺伝を呈する。
二塩基性アミノ酸の腸管からの吸収障害、腎での再吸収障害を来す結果、アミノ酸バランスの破綻、蛋白合成の低下を招き、諸症状を来す。尿にはリジン、アルギニン、オルニチンが大量に排泄され、これらの血中濃度は低値を示す。また本蛋白は他臓器(白血球、肺、肝、脾等)でも発現が確認されており、多彩な症状は各々の膜輸送障害にも起因することが推定される。

症状

多くの症例では出生時には異常は認めず、離乳期以後に嘔吐、下痢、体重増加不良、筋緊張低下などで気づかれることが多い。肝脾腫は新生児期から認める場合もある。蛋白過剰摂取後に嘔気/嘔吐、高NH3血症による意識障害を呈するため、1歳前後で多くは牛乳、肉、魚、卵を嫌うようになる(蛋白嫌い)。
 離乳期以後、低身長(四肢・体幹均衡型)、低体重、疎な毛髪、皮膚や関節の過伸展を呈する。骨粗鬆症・頻回骨折を呈する割合は半数近くあり、なかには骨成熟の遅延、骨変形も認められる。また約1/3の症例に血液免疫学的異常所見を有する。ウイルス感染の重症化や感染防御能の低下、さらに血球貪食症候群、自己免疫疾患合併の報告がある。肺合併症(間質性肺炎、肺胞蛋白症)、腎病変(腎炎、尿細管障害)、血管内皮機能障害に基づくと思われる脳梗塞も報告されている。
 本疾患の臨床症状と重症度は非常に多彩であり、症例によっては診断が学童、成人期となる場合もある。

診断

治療

充分なカロリー摂取と蛋白制限、アミノ酸補充が主体となる。 L-シトルリンは本症に有用とされる。二次的な低カルニチン血症にはL-カルニチンが有効である 。その他、免疫能改善を目的としたγグロブリン療法、肺、腎合併症に対しステロイド療法などが試みられている。

予後

合併症の重症度によるが、寝たきりの例から日常生活が可能な例まで存在する。高アンモニア血症の程度によっては、一部に知能障害を来す。

成人期以降

晩期的には、間質性肺炎、肺胞蛋白症、腎尿細管病変、腎炎、腎不全などがあり、十分な観察が望まれる。妊娠時には貧血、出血傾向、妊娠中毒症が生じやすい。

参考文献

  1. 高橋 勉. 厚労省研究班「リジン尿性蛋白不耐症における最終診断への診断プロトコールと治療指針の作成に関する研究」平成22年度報告書.2011:p1-27.

  2. Sperandeo MP, et al. Lysinuric protein intolerance: update and extended mutation analysis of SLC7A7 gene. Hum Mutat. 2008; 29: 14-21.
  3. Shoji Y, et al. Five novel SLC7A7 variants and y+L gene-expression pattern in cultured lymphoblasts from Japanese patients with lysinuric protein intolerance. Hum Mutat. 2002; 20:375-381.
  4. Tannner LM, et al. Nutrient intake in lysinuric protein intolerance. J Inherit Metab Dis. 2007; 30:716-721.
  5. Simell O: The metabolic and molecular bases of inherited disease, 8th ed. Lysinuric protein intolerance and other cationic aminoacidurias. McGraw-Hill, New York, Vol. III, pp. 4933-4956.8-11. 2001
:バージョン2.0
更新日
:2015年5月25日
文責
:日本先天代謝異常学会
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