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高オルニチン血症

こうおるにちんけっしょう

Hyperornithinemia

告示番 号7
疾病名高オルニチン血症
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概要・定義

高オルニチン血症・高アンモニア血症・ホモシトルリン尿症(Hyperornithinemia-Hyperammonemia-Homocitrullinuria:HHH)症候群と脳回転状脈絡膜網膜萎縮症を伴う高オルニチン血症の2つの疾患が存在する1)。

①HHH症候群
概要・定義
ミトコンドリア膜に局在するオルニチン輸送蛋白(ORNT1)の欠損により生じる3つの徴候(高オルニチン血症・高アンモニア血症・ホモシトルリン尿症)の頭文字をとってHHH症候群とよばれる。責任遺伝子はSLC25A15で常染色体劣性遺伝性疾患である2)。

疫学

発症頻度は不明で、本邦では10人程度の報告がある。

病因

ORNT1の障害によりオルニチンのミトコンドリア内への輸送が制限され、ミトコンドリア内のオルニチンが不足する。その結果尿素回路活性が低下し、高アンモニア血症が生じると考えられている。オルニチンを分解するオルニチンδ-アミノトランスフェラーゼもミトコンドリア内にあるため、高オルニチン血症となる。本症の病態については未だ解明されていない点が多い。

症状

間歇的な高アンモニア血症が特徴で、嘔吐、意識障害、昏睡に至る。精神運動発達遅滞やてんかんの合併もまれではない。幼少期より高蛋白食を嫌う傾向がある。成人例では発作時に失調やアテトーゼを呈し、知的障害を認めることが多い。

診断

治療

蛋白制限食(1.2g/kg/日)が、食後のアンモニア上昇の予防に有効である。オルニチンとアルギニンの補充療法は、オルニチン濃度を高め、ミトコンドリアへの受動的輸送を促進させ、一部で効果が見られる。

予後

早期治療が重要であると考えられている。

参考文献

1) Valle D, Simell O: The hyperornithinemias. in: Scriver CR et al (Eds.), The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease, 8th ed., McGraw-Hill, New York, 2001: 1857–1895.
2) 長尾雅悦.高オルニチン血症・高アンモニア血症・ホモシトルリン尿症症候群(HHH症候群).遠藤文夫(編)、先天代謝異常ハンドブック.中山書店、2013;64-65
3) Kaiser-Kupfer MI et al: Use of an arginine-restricted diet to slow progression of visual loss in patients with gyrate atrophy. Arch Ophthalmol 2004; 122: 982-4

:バージョン2.0
更新日
:2015年5月25日
文責
:日本先天代謝異常学会
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