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高アルギニン血症

こうあるぎにんけっしょう

Hyperarginemia

告示番 号6
疾病名高アルギニン血症
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概要・定義

肝臓においてアンモニアを無害な尿素に代謝する尿素サイクルの最終段階の酵素がアルギナーゼ1であり、アルギニンを尿素とオルニチンへと分解する。高アルギニン血症は常染色体劣性遺伝性疾患であり、アルギナーゼ1の障害により血中・尿中にアルギニン上昇が認められる。

疫学

極めて希であり、220万人に1人との報告がある。

病因

ARG1遺伝子の機能喪失型変異に起因する。ARG1遺伝子はアルギナーゼ1をコードし、肝臓や赤血球の細胞質で発現する。アルギナーゼ欠損症での高アンモニア血症の程度は他の尿素サイクル異常症に比して軽度である。神経症状に進行にはアルギニン代謝産物(グアニジノ化合物など)の関連が示唆されている。

症状

症状

他の尿素サイクル異常症とは異なり、高アンモニア血症は間歇的で、急性発症型はまれである。新生児期にはほとんど無症状で、2-4歳で成長発達が緩慢になり、ひき続き痙性麻痺の進行、精神運動発達遅滞、けいれんなどをきたす。高タンパク食の忌避行動が認められることが多い。

診断

治療

・低蛋白食事療法
・残余窒素排泄促進剤:フェニル酪酸ナトリウム(ブフェニールR)、安息香酸ナトリウム
・他の尿素サイクル異常症で使用される塩酸アルギニンは高アルギニン血症では禁忌である。

予後

適切な治療により、神経症状の進行の停止が期待される。

成人期以降

成人期においても前述の治療の継続が必要である。

参考文献

1) Crombez EA, et al. Hyperargininemia due to liver arginase deficiency. Mol Genet Metab. 2005;84:243-251

:バージョン2.0
更新日
:2015年5月25日
文責
:日本先天代謝異常学会
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