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α1-アンチトリプシン欠損症

あるふぁーわんあんちとりぷしんけっそんしょう

Alpha-1-antitrypsin deficiency

告示番 号23
疾病名α1-アンチトリプシン欠損症
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概要・定義

α1アンチトリプシンは、肝臓で合成される糖タンパクで、血液中のα1グロブリン分画の80から90%を占める。肝臓で合成されたα1アンチトリプシンは、血流を介して濃度依存的に肺内拡散し、好中球エラスターゼ阻害剤として肺胞壁の障害を防ぐ作用がある。α1アンチトリプシンが生体内で欠損すると、小児では、胆汁うっ滞性肝障害、成人では早期発症型肺気腫の原因となる。常染色体劣性遺伝病である。

疫学

日本での報告は、20例程度という極めてまれな疾患である。欧米白人では、2000から5000人にひとりである。

病因

α1アンチトリプシンは、肝臓で合成される糖タンパクで、血液中のα1グロブリン分画の80から90%を占める。肝臓で合成されたα1アンチトリプシンは、血流を介して濃度依存的に肺内拡散し、好中球エラスターゼ阻害剤として肺胞壁の障害を防ぐ作用がある。α1アンチトリプシン欠損症では、好中球エラスターゼの作用を軽減できないことから、肺胞壁が障害され、早期発症型肺気腫が引き起こされる。

症状

α1アンチトリプシンが生体内で欠損すると、小児では、胆汁うっ滞性肝障害、成人では早期発症型肺気腫の原因となる。

診断

治療

肺気腫に対する通常の治療のほか、α1アンチトリプシンの静脈内投与を行う。肝障害については、肝臓移植が適応となる。

予後

小児期に肝障害が重篤でなければ、生命予後は良好である。

成人期以降

肺障害の予防のため、喫煙はさける。

参考文献

成高中之ら、α1アンチトリプシン欠損症 遠藤文夫(編)先天代謝異常ハンドブック第1版、中山書店 2013 346-347
:バージョン2.0
更新日
:2015年5月25日
文責
:日本先天代謝異常学会
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