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家族性複合型高脂血症

かぞくせいふくごうがたこうしけっしょう

Familial combined hyperlipidaemia

告示番 号37
疾病名家族性複合型高脂質血症
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概要・定義

家族性複合型高脂血症(FCHL)は、血中総コレステロール(TC)とTGの両方が高値となる疾患で、常染色体優性遺伝形式とされているが複数の遺伝子異常がかかわっている。若年での心筋梗塞の発症が報告されており、65歳以下の心筋梗塞患者の基礎疾患として30%を占めるとされる1,2)。

疫学

頻度は一般人口約100人に1例程度される。第1度近親者に同様の高脂血症がある。FCHL患者の心筋梗塞の発症は男性で35歳より、女性で55歳より認められると報告されている。また、我が国の65歳以下の心筋梗塞患者の30%にFCHLが認められるとされる。

病因

従来、単一の遺伝子異常に基づくと考えられていたが、現在は、LPLやアポタンパクの遺伝子との関連が報告されている。過栄養・運動不足などの後天的要因によっても高脂血症が誘発されやすい。

症状

高脂血症は思春期以降に出現することが多い。LDL-Cの上昇は家族性高コレステロール血症より比較的軽度である。Ⅱb型高脂血症を基盤とするが、Ⅱa型やⅣ型を呈する時がある。通常、小児期には症状はない。

診断

①IIb型高脂血症(空腹時で血清TC 220およびTG 140 mg/dl以上)があること。経過中、IIa型やIV型もとり得る。②small dense LDLの存在により、アポリポタンパクBが高値となる(アポB / LDL-C>1.0)。または、LDL粒子サイズを測定する(粒子径<25.5 nm)。③家族性高コレステロール血症や二次性高脂血症を除く。④第1度近親者にIIa、IIb、IV型のいずれかの表現型の高脂血症が存在すること。①~④のすべてを満たせば確診とするが、①~③でも簡易診断基準として差し支えない。

治療

食事療法・運動療法による生活習慣の改善が基本となる。定期的な全身状態のチェックが必要である。

予後

小児期から適切な生活指導を続ければ、薬物治療の開始年齢を遅らせることができると考えられる。

参考文献

1.日本動脈硬化学会. その他の原発性高脂血症.日本動脈硬化学会(編), 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版, 2012; 81-84
2.太田孝男. 家族性複合型高脂質血症(脂質異常症). 遠藤文夫(総編集), 先天代謝異常ハンドブック. 中山書店, 2013; 376-377
:バージョン2.0
更新日
:2015年5月25日
文責
:日本先天代謝異常学会
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