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家族性高コレステロール血症

かぞくせいこうこれすてろーるけっしょう

Familial hypercholesterolaemia

告示番 号36
疾病名家族性高コレステロール血症
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概要・定義

家族性高コレステロール血症(FH)は、低比重リポタンパク(LDL)受容体または関連する遺伝子異常による疾患である。FHではLDLコレステロールの血中レベルがきわめて高値となるため動脈硬化の非常に高いリスクとなる。若年で狭心症や心筋梗塞を発症する可能性が高い。

疫学

一般にホモ接合体が100万人に1人、ヘテロ接合体が500人に1人の頻度とされている1)。しかし、日本人の遺伝子変異による調査では、それ以上(ヘテロ型が208人に1人)とも報告されている2)。地域集積性があることも言われている。
病因

病因

LDL受容体遺伝子異常により生じる常染色体優生遺伝の疾患が基本型であるが、常染色体劣性遺伝を呈するもの(autosomal recessive hypercholesterolemia)、LDL受容体の分解に関わるproprotein convertase, subtilistin/kexin-type 9 の異常によるもの、アポリポタンパクBの異常によるものなども含めている。

症状

表現型は通常Ⅱa型となる。LDL-Cがきわめて高い例はFHホモ接合体の可能性が高いが、FHヘテロ接合体でもホモ接合体に近い脂質値の例もある。皮膚や腱の黄色腫は、成人以降に出現が多くなるので、小児で生じるのは重症例である。

診断

15歳以上のFHヘテロの診断基準は、LDL-C 180mg/dl以上、腱黄色腫(皮膚結節性黄色腫)、家族歴のうち2項目で診断する1)。小児の診断は手引きを参照。鑑別疾患には、シトステロール血症、母乳性高コレステロール血症がある。

治療

1)  FHホモ接合体
薬剤のみでは十分な脂質低下が得られないので、LDLアフェレシスの準備を行う。就学前からの導入が必要とされる。
2) FHヘテロ接合体
本邦小児の治療開始基準はないので、脂質レベルとリスク因子を考慮して個別に対応する。薬物療法は、2012年版ガイドライン1)では、小児の第一選択は陰イオン交換樹脂剤(レジン)とし、専門医の指導のもとに行うとしている。2013年版治療ガイド3)では、小児を含めて第一選択はスタチンで、他剤との併用が必要となることが多いとされている。

予後

薬物療法の有効性は成人における大規模臨床研究で示されている。わが国小児のデータは少ない。

成人期以降

合併症の観点から内科に移行する。FHホモ接合体は現在、指定難病に認定されている。

参考文献

1) 日本動脈硬化学会:家族性高コレステロール血症.動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版, 2012;75-79
2) Mabuchi H, et al:Molecular genetic epidemiology of homozygous familial hypercholesterolemia in the   Hokuriku district of Japan. Atherosclerosis 2013; 214: 404-407
3) 日本動脈硬化学会:家族性高コレステロール血症(小児含む).動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症治療ガイド2013年版, 2013;75-76
:バージョン2.0
更新日
:2015年5月25日
文責
:日本先天代謝異常学会
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