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若年発症成人型糖尿病(MODY)

じゃくねんはっしょうせいじんがたとうにょうびょう (えむおーでぃーわい)

maturity-onset diabetes of the young; MODY

告示番 号4
疾病名若年発症成人型糖尿病(MODY)
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概念・定義

若年発症成人型糖尿病 (以下MODY) は、常染色体優性で発症する若年糖尿病であり、糖代謝に関わる単一遺伝子の機能障害(遺伝子変異、遺伝子全体 あるいは一部の欠失などによる)が原因となって糖尿病を発症する。原因遺伝子としては今日までに13種類が報告されているが、原因不明のMODYXも存在する。

疫学

全糖尿病の1〜3%の頻度と考えられている。欧米ではMODY2 (GCK変異) とMODY3 (HNF-1A変異) が主な病型である。日本ではMODY3の頻度が高いと考えられていたが、近年の検討ではMODY2も頻度として高いことが認識されている。MODYは学校検尿糖尿病検診や偶然の検査で発見されることが少なくないため、今後患者数が増加することが予想される

症状および検査結果

一概に肥満を有さず、通常 25歳以下の発症であり、若年発症の糖尿病家族例を有する。病因に自己免疫は関与していないために。膵島関連自己抗体は検出されない。
 MODY2では血糖値に比してインスリン分泌の閾値が高いことが特徴であり、空腹時血糖値の上昇はみられるが、食後血糖値や経口血糖負荷試験2時間血糖値は糖尿病域でないことも少なくない。インスリン分泌能は保持される。本症は無症状で学校検尿糖尿病検診や偶然の検査で発見される頻度が高い。
 MODY3は糖尿病発症に先立って尿糖が陽性になることがあるが、経過に伴いインスリン分泌能は進行性に低下し、腎症や網膜症などの細小血管合併症を併発する頻度が高いことが特徴である。約2/3の症例が薬物療法の適応になる。
 MODY1 (HNF-1A変異)はMODY2, MODY3に次いで頻度が高いが、細小血管合併症の頻度が高く、予後は不良である。MODY5 (HNF-1B変異) では、糖尿病を約半数の症例に認めるが、本質はむしろ腎疾患であり、腎嚢胞、家族性高尿酸血性腎症、その他の腎奇形を約80%の症例が有する。MODYでは全部で13種類の単一遺伝子異常が報告されているが、上記の症例以外はいずれの頻度も極めて低い

治療および予後

MODY2の大半は無治療あるいは食事・運動療法で治療され、予後は良好である。MODY3、MODY1は薬物療法の適応になる症例が多く、第一選択薬はスルホニル尿素薬である。その後進行性にインスリン分泌能が低下してインスリン治療に移行する症例も少なくない。細小血管合併症の頻度が高く、予後は不良である

文献

1) Fajans SS, Conn JW. Tolbutamide-induced improvement in carbohydrate tolerance of young people with mild diabetes mellitus. Diabetes 1960; 9: 83-88.
2) Tattersall RB. Mild familiar diabetes with dominant inheritance. Q J Med 1974; 43: 339-357.
3) Mcdonald TJ, Colclough K, Brown R et al. Islet autoantibodies can discriminate maturity-onset diabetes of the young (MODY) from type 1 diabetes. Diabet Med 2011; 28: 1028-1033.
4) Kavvoura FK, Owen KR. Maturity-onset diabetes of the young: Clinical characteristics, diagnosis and management. Pediatr Endocrinol Rev 2013; 10: 234-242.
5) Hattersley A, Bruining J, Shield J, Njolstad P, Donaghue KC. ISPAD Clinical Consensus Practice Guidelines 2006-2007. The diagnosis and management of monogenic diabetes in children and adolescents. Pediatr Diabetes 2006; 7: 352-360.
6) 小児科・思春期糖尿病管理の手引き 改訂第3版 コンセンサス・ガイドライン、日本糖尿病学会、日本小児内分泌学会編 2011、南光堂

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児内分泌学会
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