22

慢性再発性多発性骨髄炎

まんせいさいはつせいたはつせいこつずいえん

chronic recurrent multifocal osteomyelitis

告示番 号21
疾病名慢性再発性多発性骨髄炎
診断手引き、医療意見書等のダウンロードはこちら

概念・定義

 本疾患は10歳前後の小児に好発する骨・骨髄の無菌性炎症疾患であり、疼痛を伴う骨髄炎が多発し、寛解と増悪を繰り返すことが特徴である。掌蹠膿疱症や尋常性乾癬などの皮膚症状を合併することが多く、SAPHO症候群も類似した疾患と考えられている。また、早期(2歳未満)に慢性再発性多発性骨髄炎を発症し、先天性赤血球異形成貧血(低色素性、小球性貧血)及びSweet症候群などの皮膚炎を合併する常染色体劣性遺伝疾患をMajeed症候群と呼ぶ。Majeed症候群はLPIN2遺伝子の異常であることが判明している。

疫学

 稀な疾患であり、本邦における患者数は不明である

病因

 慢性再発性多発性骨髄炎の病因は不明であるが、双生児での検討から遺伝的要因が確認されており、感受性遺伝子座が18q21.3-22にあることが報告されている1)。Majeed症候群の原因はLPIN2遺伝子の変異であることは判明しているが、報告が少なく、遺伝子型と表現型の相関は明らかになっていない。

臨床症状

 疼痛を伴う無菌性の骨髄炎が多発し、寛解と増悪を繰り返すのが特徴である。病変は大腿骨・脛骨などの長管骨骨幹端をはじめ、下顎骨、鎖骨に多く認められ、脊椎、骨盤、肋骨などにも認められる場合がある。倦怠感や局所の疼痛・腫脹などで緩徐に発症することが多く、疼痛は夜間に増悪する傾向がある。高熱を呈することは稀で、CRPなど一般的な炎症反応は軽度の上昇にとどまることが多い。典型的な病変は、X線検査で骨融解と骨硬化の混在した像を呈し、MRI検査においてT1強調画像で低信号、T2強調及びSTIR画像で高進号を呈する。骨生検では骨融解を含む非特異的な骨炎像が認められる。血液・組織の培養・細菌学的検査は陰性である

診断

治療

 基本治療として、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAID)を用いられており、50~80%の患者が反応すると報告されている2),3)。基本治療に対する反応が不十分である場合に追加治療の必要性を検討する。近年ビスホスホネートが高い有効性を示している他、難治例に対しては抗TNF療法も行われ、効果が得られていると報告されている4)

予後

 多くは症状の増悪、寛解を繰り返しながら、治癒していく一方、10年以上も炎症が持続する患者も25~59%の割合で認められる。炎症が長期に及ぶ場合には関節の拘縮、骨折、成長障害が問題となる

参考文献

1) Cassidy JT, Lindsley CB. Autoinflammatory bone disorders:Textbook of Pediatric Rheumatology. 6th ed. Philadelphia:661-73.

2) Schultz C, Holterhus PM, Seidel, et al. Choronic recurrent multifocal osteomyelitis in children. Pediatric Infect Dis J.1999;18(11):1008-13.

3) Girschick HJ, Krauspe R, Tschmmler A, et al. Choronic recurrent multifocal osteomyelitis with clavicular involvement in children:diagnostic value of different imaging techniques and therapy with non-steroidal anti-inflammatory drugs. Eur J Pediatr. 1998;157(1):28-33.

4) Costa-Reis P, Sullivan KE. Chronic recurrent multifocal osteomyelitis. J Clin Immunol.2013:33:1043-56

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児リウマチ学会
「小児慢性特定疾病の対象疾患について」に戻る