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アンドロゲン不応症

あんどろげんふおうしょう

Androgen insensitivity syndrome

告示番 号48
疾病名アンドロゲン不応症
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概念

卵巣・精巣や性器の発育が非典型的である状態を性分化疾患(Disorders of Sex Development: DSD)とよぶ。DSDは、出生時の外陰部異常を中核症状とするが、広義には二次性徴の発来異常も含まれる。アンドロゲン不応症は、染色体が46, XYで精巣は存在するが、ミュラー管由来構造物(子宮)は存在しない46, XY DSDの一つである。遺伝子異常によるホルモンの作用異常が原因である。

病因

Xq11-12に存在するアンドロゲン受容体遺伝子(AR)の異常により発症する。アンドロゲン作用機構の障害のため、種々の程度の男性化障害を呈する。アンドロゲン受容体遺伝子に異常がない場合、転写共役因子の異常により発症することもある。残存活性により、完全型、不完全型、Reifenstein症候群、男性不妊症に分類される。

症状

外性器異常として女性型(無月経)〜男性型(男性不妊)まで、gender identityを含め種々の程度の男性化障害を呈する。精巣は存在するが(完全型、不完全型では鼠径部、腹腔内)、ミュラー管由来構造物(子宮)は存在しない。乳房発育がある。完全型ではアンドロゲン不応のため、外性器は完全に女性型であり、体型、性格も女性的である。不完全型では矮小陰茎、陰核肥大、陰唇癒合などの男性化が認められる

検査

染色体は46, XY。内分泌検査では、LH・FSH上昇、テストステロン正常〜上昇、E2は正常男性より高値、などが認められる

診断

上記の症状、検査所見により診断するが、遺伝子診断により確定される

治療

女児として養育された場合、精巣摘出、膣形成を行い、思春期以降はエストロゲンの補充を行う。精巣摘出は精巣の腫瘍化リスクがあるために行うが、アンドロゲンから変換されたエストロゲンが2次性徴を誘導するため、思春期前の摘出は避けるとの意見もある。男児では、外陰形成術や乳房縮小術を行う。陰嚢外の精巣は腫瘍化リスクがあるため、摘出を検討する

予後

残存活性により、症状、内分泌検査所見には幅がある。養育性は一般に、外性器の表現形により決定される。X連鎖劣性遺伝であるため、患者同胞の女性の50%が無症状キャリアの可能性があり、遺伝相談も重要である

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児内分泌学会
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