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5α-還元酵素欠損症

ごあるふぁかんげんこうそけっそんしょう

5 alpha-reductase deficiency

告示番 号50
疾病名5α-還元酵素欠損症
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概念

卵巣・精巣や性器の発育が非典型的である状態を性分化疾患(Disorders of Sex Development: DSD)とよぶ。DSDは、出生時の外陰部異常を中核症状とするが、広義には二次性徴の発来異常も含まれる。5α-還元酵素欠損症は、染色体が46, XYで精巣は存在するが、ミュラー管由来構造物(子宮)は存在しない46, XY DSDの一つである。遺伝子異常によるホルモンの合成障害が原因である。

病因

2p23に存在する5α-レダクターゼII型遺伝子(SRD5A2)の異常により発症する。常染色体劣性遺伝である。5α-レダクターゼの異常により、テストステロンから、より活性の強いジヒドロテストステロンへの変換が障害される。

症状

新生児期に外性器異常で気づかれることが多く、女性型(将来的に無月経)〜男性型(矮小陰茎)まで、種々の程度の男性化障害を呈する。精巣が、鼠径管、大陰唇または陰嚢内に存在するが、ミュラー管由来構造物(子宮)は存在しない。思春期には陰茎が軽度増大するなど部分的に男性化する。乳房発育は認められない。停留精巣の影響がなければ、妊孕性も期待できる。変異のホモ接合体46, XX女性では明らかな異常は認められない

検査

染色体は46, XY。内分泌検査では、LH・FSH上昇、テストステロン正常〜上昇、テストステロン/ジヒドロテストステロン比上昇(テストステロン分泌が不十分な時期ではhCG負荷試験が必要。)などが認められる

診断

上記の症状、検査所見により診断するが、遺伝子診断により確定される。外陰部の皮膚線維芽細胞を用いた5α-レダクターゼ活性の低下の証明でも可能である

治療

男児では矮小陰茎に対して、ジヒドロテストステロンクリーム(院内製剤)が使用される。必要に応じて外陰形成術を行う。女児として養育された場合、精巣摘出を行い、思春期にはエストロゲンの補充を行う

予後

残存酵素活性により、症状、内分泌検査所見には幅がある。思春期年齢での男性化、精子形成能、男性としてのgender identityを考慮すると、本症の46, XY新生児は、男児として育てられることが推奨される

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児内分泌学会
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