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混合性性腺異形成症

こんごうせいせいせんいけいせいしょう

Mixed gonadal dysgenesis

告示番 号52
疾病名混合性性腺異形成症
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概念・定義

混合性性腺異形成症(mixed gonadal dysgenesis)は、同一個体において精巣成分と索状性線が共存する状態であり、それに関連する内外性器の分化異常がみられる病態である1)。代表的な核型は、45,X/46,XYのモザイクであるが、45,X/47,XYYや45,X/46,XY/47,XYYの核型も報告されている。

病因

有糸分裂の際の分裂後期遅滞やY染色体の異常などに起因するとされているが、不対称な性腺分化の異常が生じる詳細な機序は不明である

疫学

頻度は不明である

臨床症状

性分化の障害の程度は、正常女性に近い例~あいまいな外性器を持つ例~正常男性に近い例までさまざまである。本症では一側が索状性腺であるため、索状性腺側の内性器はウォルフ管由来の精管などの発達は認めずミュラー管由来の卵管・子宮を認めることが多い。反対側は索状性腺の中にわずかに精巣組織を有するようなものから、陰嚢内精巣があり同側の内性器も正常男性と変わらないものまでさまざまである1)。一側性腺は停留精巣あるいは陰嚢内精巣として触知することが多く、反対側は腹腔内に索状性腺として存在し触知しないので陰嚢は左右非対称であることが多い。また、低身長、翼状頸などのターナー徴候を有する症例も認められる。

診断

理学所見、染色体検査、内分泌学的検査などから本症が疑われ、一側が索状性腺であり他側が精巣であることが組織学的に確認されれば診断が確定される。
また、染色体のモザイク比率は組織により異なるため、一般的に検査される末梢血リンパ球の核型と性腺の核型とは異なることがある

治療

決定された社会的性別により必要とされる外陰形成術を行う。男児として養育する場合には精巣の悪性腫瘍に注意が必要である。性腺が陰嚢内にない場合には早期に精巣固定術を行う。女児として養育する場合には原則的に両側性腺は摘出する。両性とも思春期以降は必要に応じ性ホルモン補充療法を行う

予後

本疾患の長期予後に関しては、多数例での報告が乏しく不明な点が多い。
性腺芽腫(gonadoblastoma)などの悪性腫瘍を生じることがあるため、腹腔内の性腺は基本摘出し、陰嚢内の性腺(精巣)は注意深く経過観察していく必要がある

文献

1) 野々村克也、守屋仁彦、田中 博、三井貴彦 混合型性腺異形成症 別冊日本臨床 内分泌症候群II 2006; 539-542
:バージョン1.1
更新日
:2015年7月8日
文責
:日本小児内分泌学会
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