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副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)単独欠損症

ふくじんひしつしげきほるもんたんどくけっそんしょう

Isolated ACTH deficiency

告示番 号86
疾病名副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)単独欠損症
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概念・定義

下垂体からのACTH分泌が、下垂体、視床下部あるいはさらに上位の中枢の問題により、障害されている状態を指す。慢性のACTH分泌不全では、副腎皮質は萎縮状となり、機能の低下を招くため、二次性副腎皮質機能低下症ともいう。

病因

成人では、自己免疫機序の関与が示唆されている。小児のACTH単独欠損症は稀であり、TPIT異常症(TBX19遺伝子異常)、およびPOMC遺伝子異常によるものが知られている

症状

続発性副腎不全の症状として、倦怠感、低血圧、食欲不振、低血糖や低ナトリウム血症による意識障害などを呈する。ミネラルコルチコイド欠乏症状は、原則として認めない。遺伝子異常による先天性の場合は、新生児期に痙攣を伴う重症低血糖と胆汁鬱滞を呈する。POMC遺伝子異常では、赤毛と高度の肥満も特徴的である

診断

血中ACTHおよびコルチゾールの基礎値は正常範囲とのオーバーラップがあるため、CRH負荷試験での低反応を確認する。副腎皮質が萎縮している場合は、ACTH負荷試験でコルチゾールの低反応を認める

治療

成人で、ヒドロコルチゾン15~20 mg/日を、均等に分2~分3投与、あるいは朝が多めとなるように投与する。肥満予防のため、成人では15 mg/日の維持量が推奨されている。小児では、10~25mg/m2を目安とする。感染症、発熱、外傷などのストレス時には服用量を2~3倍に増量し、麻酔を伴う大手術時には 10倍以上に増量する

予後

遺伝子異常による先天性の場合は、新生児期から的確に診断治療が行われれば、予後は一般に良好である

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児内分泌学会
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