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多脾症候群

たひしょうこうぐん

Polysplenia syndrome

告示番 号74
疾病名多脾症候群
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概念・定義

内蔵が左右対称性に形成される臓器錯位症候群のうち左側相同を呈する症候群。通常脾臓は分葉して複数認め、50-90%に先天性心疾患を合併する。合併心奇形は、奇静脈結合、下大静脈欠損、心房中隔欠損、両大血管右室起始症などが多い。

病因

connexin遺伝子,ホメオボックス遺伝子などの関与が考えられている

疫学

出生10000-20000に対して1程度

合併心奇形

両側上大静脈、下大静脈欠損、単心房、単心室、心房中隔欠損、心内膜床欠損、肺動脈狭窄、両大血管右室起始症、肺高血圧、など多彩

臨床症状

合併する心奇形によるが、当初は肺血流の状況に大きく影響される。すなわち肺血流増加型では多呼吸・ほ乳不良などを認め、早期に肺高血圧をきたす。肺血流減少型ではチアノーゼを呈する。心内奇形なしの場合や心房中隔欠損のみの場合があるが、その場合には無症状である。
洞徐脈、房室解離、発作性上室性頻脈などの不整脈を呈することも多い。
腸回転異常、総腸間膜症などによる腸閉塞、胆道閉鎖などを合併することもある

診断

先天性心疾患患児(時に伴わないことも)で以下の所見を診断の手がかりとする
胸腹部エックス線:両側肺ともhair lineを欠き、気管支は両側hyparterial bronchus(肺動脈が気管支を乗り越える)となる。
心電図:洞徐脈、房室解離を呈することがある。
心臓超音波検査:下大静脈欠損兼奇静脈結合が特徴的である。
心臓カテーテル検査:心房造影による心耳形態(両側左心耳構造)、肺動脈造影により肺動脈と気管支の位置関係(両側hyparterial bronchus)を確認できる。
造影CT:肺動脈と気管支の位置関係(両側hyparterial bronchus)を確認できる

治療

合併心奇形に対する治療を行う。洞機能不全などの不整脈に対する治療も必要

予後

生命予後には合併心奇形による影響が大きい。一般の心奇形のリスクに加えて、感染症や不整脈のリスクが加わる。予後は、一般的に不良である

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児循環器学会
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