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大動脈瘤(バルサルバ(Valsalva)洞動脈瘤を除く。)

だいどうみゃくりゅう(ばるさるばどうどうみゃくりゅうをのぞく。)

Aortic aneurysm

告示番 号65
疾病名大動脈瘤(バルサルバ洞動脈瘤を除く。)
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概念・定義

大動脈の一部の壁が、全周性、または局所性に拡大または突出した状態。壁の一部が局所的に拡張して瘤を形成する場合、または直径が正常径の1.5倍(胸部で45mm)を超えて拡大した場合に瘤と称している。拡大した血管壁は脆弱になり大動脈解離を起こしやすくなる。Marfan症候群(および類似疾患)や大動脈炎症候群でみられることがある。成人で径55mm以上の瘤に対して治療適応となる。上行大動脈—弓部の瘤は外科治療、下行大動脈の瘤は、成人であればカテーテル治療か手術を考慮する。小児では、カテーテル治療は施行されていない。

病因

Marfan症候群(および類似疾患)や大動脈炎症候群でみられることがある。

疫学

小児でもまれではあるがMarfan症候群(および類似疾患)や大動脈炎症候群でみられることがある。

臨床症状

特にない。大動脈解離が起こった場合には激しい胸痛を認める。

診断

胸部エックス線:拡大した瘤に一致した陰影を認めることがあるが、特徴的なものはない。
心電図:特に所見はない。
心臓超音波検査:心エコー図にて拡大した上行大動脈を描出する。解離が起こった場合には、血管壁が二層に解離し真の血管腔と、裂けてできた血管腔(偽腔)を認める。
心臓カテーテル検査:造影所見で、拡大した大動脈を認める。時に閉鎖不全を合併する。解離した場合は、カテーテル検査は行わない。
CT, MRI:
最も診断的価値がある。拡大した瘤状の大動脈を診断できる。

治療

成人で径55mm以上の瘤に対して治療適応となる。上行大動脈—弓部の瘤は外科治療、下行大動脈の瘤は、成人であればカテーテル治療か手術を考慮する。小児では、カテーテル治療は施行されていない。手術は、人工血管置換術、カテーテル治療は、人工血管つきステントを留置する。

予後

Marfan症候群(および類似疾患)や大動脈炎症候群の予後は不良である。
:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児循環器学会
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