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右室二腔症

うしつにくうしょう

Double-chambered right ventricle

告示番 号2
疾病名右室二腔症
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概念・定義

 右室の漏斗部の狭窄ではなく, 漏斗部よりも近位側の右室肉柱部の肉柱が異常に高く, かつ太くなり, 右室内に狭窄を形成する。聴診では胸骨左縁に表在的に粗く長い収縮期雑音をきく. 右室内の圧差が30~50mmHg以上ある場合には手術が必要である.

病因

 右室洞部からみて漏斗部への入り口 Os infundibulumの筋肉の肥厚によって起こる。また、右室肉柱部には多数の筋束がある. そのうち特に前方にある筋束群のなかで一番高い位置にある筋束を調節帯(moderator band)とよぶ. このmoderator bandが異常に高い位置で,かつ太く発達すると, 右室内異常筋束になる。 胎生期7週頃には右室内に太い肉柱があり, これが残った物とも考えられている

疫学

 通常心室中隔欠損症に合併し,少数は単独で生じる

臨床症状

 乳児期には右室内圧差はまだほとんどないので,心室中隔欠損の大きさに応じて左-右短絡が生じ, それよる臨床所見を生じる. 短絡の多い場合には心不全を生じて, 多呼吸や体重増加不良などの所見を呈する. 狭窄が高度になり, チアノーゼが出現すると,運動時に呼吸困難を生じるようになる. 通常, 右室肥大が生じても, Fallot四徴症のような隠据や運動障害はない. 聴診では胸骨左縁に表在的に粗く長い収縮期雑音をきく. II音は分裂してきかれ, 亢進はない.

診断

心エコー図で漏斗部の下, 右室内に異常筋束
心臓カテーテルで右室内に狭窄があり, 右室が近位の高圧室と遠位の低圧室に分かれている。ファロー四徴症との鑑別を要する。
【胸部エックス線】
合併する心室中隔欠損の所見がある. それ以上の異常を認めるのは困難である.心室中隔欠損を合併するものの15%に右側大動脈弓を合併する。
【心電図】
通常洞調律である. 前額面平均電気軸は+40度ないし+120度である.右室肥大の所見としてもR, V1のT波が上向きになり, そのR波が高い. 心室中隔欠損の左-右短絡を反映して左室肥大がある.
【心エコー図】
右室の長軸面の断層心エコー図で漏斗部の下, 右室内に異常筋束を直接描出することができる。近位側右室の圧が高いために心室中隔下方が左室側に偏位して pseudo-overriding を示す。心室中隔欠損を合併する場合には, 膜様部心室中隔欠損があり, 膜様部瘤が認められることもある. 大動脈弁下部に狭窄のある場合もある.
【心臓カテーテル・造影所見】
カテーテルを右室から肺動脈へ進めると, 右室内に狭窄があり, 右室が近位の高圧室と遠位の低圧室に分かれている. 高圧室と低圧室との間に20~150 mmHgの圧差がある. 心室中隔欠損は通常高圧室に聞くので, 右室高圧室で酸素飽和度のstep -up がある. 高圧室の圧が左室圧より高い場合には右-左短絡を生じて大動脈血の酸素飽和度が低下する.右室造影を高圧室で行うと, 右室の中央に右上から左下に走る太い肉柱が写る.

治療

 右室内の圧差が30~50mmHg以上ある場合には手術が必要である. 手術では右室内異常筋束を切除し,心室中隔欠損を合併する場合には同時に欠損孔も閉鎖する. 手術成績はFallot四徴症よりよい.

予後

 大きい心室中隔欠損が合併すると,乳児期に心不全を生じる。狭窄が強くなると左-右短絡は減少しチアノ-ゼを生じる。手術後の経過はよい

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児循環器学会
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