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肺静脈狭窄症

はいじょうみゃくきょうさくしょう

Pulmonary venous obstruction

告示番 号78
疾病名肺静脈狭窄症
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概念・定義

肺静脈が狭窄ないし閉鎖している疾患である。先天性の場合と、総肺静脈還流異常の術後に認められる場合がある。難治性で、予後不良の疾患。4本の肺静脈の内、4本とも狭窄ないし閉鎖があれば、非常に予後不良である。胎児期に4本の肺静脈の内、4本とも閉鎖していれば、生後は生存できない。治療は、カテーテル治療か、手術であるが、再狭窄の頻度は高い。

病因

病因は不明である。総肺静脈還流異常の約10%に術後肺静脈狭窄が生じ予後不良の要因となる

疫学

先天性のものは非常にまれである

臨床症状

4本の肺静脈の内、4本とも狭窄ないし閉鎖があれば、出生時よりチアノーゼ、呼吸困難を認める。肺静脈狭窄が早期から出現する場合には、肺うっ血に伴う重度のチアノーゼと多呼吸を認め、生後早期に死亡すること例が多い。肺静脈狭窄が1−2本に限定すれば、多呼吸、体重増加不良などの症状は軽いことがある

診断

【胸部X線】
肺静脈閉塞の強い場合には、心拡大を伴わすに肺うっ血が著明となり、肺野はびまん性のスリカラス状陰影となる。症状の悪化に伴い心陰影は次第に不鮮明となる。
【心電図】
右房・右室負荷を示す。
【心エコー図】
心エコーでは、肺静脈狭窄の場合には、肺静脈還流の流速の増大を認めることもある。肺うっ血に伴い肺高血圧の所見を認める。
【心臓カテーテル・造影所見】
肺静脈が閉塞していれば、肺動脈造影で、造影剤は末梢に流れていかない。肺静脈狭窄の場合、造影検査で、肺動脈造影により肺静脈への造影剤の還流遅延を認める。本症に対する心臓カテーテル検査、特に肺動脈造影は侵襲が大きく、4本の肺静脈の内、4本とも狭窄ないし閉鎖があれば、患児の状態を急速に悪化させることがあるため注意を要する。
【CT】
CTで肺静脈の狭窄ないし閉鎖を認める。
【鑑別】
先天性心臓病によるものでは肺うっ血をきたす先天性心疾患、共通肺静脈閉鎖、三心房心、僧帽弁狭窄、肺静脈狭窄が鑑別となる。心臓以外の疾患としては,呼吸窮迫症候群(RDS),新生児避延性肺高血圧症(PPHN),胎便吸引症候群(MAS) などの肺疾患が鑑別となる

治療

治療は、カテーテル治療か、手術であるが、再狭窄の頻度は高い

予後

非常に予後不良である。総肺静脈還流異常症の術後約10%に肺静脈狭窄が生じ予後不良の要因となる。治療しても再狭窄の頻度は高い

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児循環器学会
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