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慢性肺疾患

まんせいはいしっかん

chronic lung disease; CLD

告示番 号14
疾病名慢性肺疾患
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概念・定義

本疾患は新生児期の呼吸障害が軽快した後、あるいはそれに引き続いて、酸素吸入を必要とするような呼吸窮迫症状が日齢28を超えて続くものである.肺に病変がない無呼吸発作、一過性に酸素を必要とするが長期的な治療を必要としない肺炎などの急性疾患は除外する。

病因

成長過程にある胎児期から新生児期の肺が、感染、炎症、酸素毒性、陽圧換気といった傷害因子に曝露されることにより、二次的な修飾を受けて酸素吸入からの離脱が困難となるものである

疫学

厚生労働省研究班において2010年出生児を対象に行った調査票のデータを基に解析すると、出生体重1000g未満児のCLD発症率は61.2%、1000g以上1500g未満児の発症率は14.3%であった。1500g以上の児でCLDは少数であるため、本邦におけるCLDの新規発症者数は年間約2500と推測される。CLD発症者のうち、約40%が修正36週においても30%以上の酸素濃度か陽圧補助による治療を施されており、同様に約13%が在宅酸素療法下で退院している。CLDの病因別に以下のような病型分類がなされており、頻度はII型、I型、III型の順に多い。また、重症度の指標である在宅酸素率が高いのはIII型、次いでIV型、I型である.

【CLDの病型分類】
a)呼吸窮迫症候群(RDS)に続発:重症型(I型)、軽症型(II型)
b)子宮内炎症に続発:重症型(III型)、軽症型(III′型)
c)上記以外:重症型(IV型)、軽症型(V型)
d)分類不能:VI型
*重症型:胸部レントゲン写真で泡沫状、気腫状陰影を呈するもの、軽症型:透過性の変化にとどまるもの

症状

低酸素血症に加えて、多呼吸、陥没呼吸といった呼吸窮迫症状が新生児期の呼吸障害に続発する場合や、呼吸障害が一旦軽快した後に悪化する場合がある。いずれも酸素飽和度を適正範囲に維持するために酸素吸入や陽圧補助が必要である

診断

治療

予後

CLDの13%は在宅酸素療法下にNICUを退院するが、大多数は生後1年までに酸素吸入を中止できている。しかし、CLDは発達予後に影響を与えることが知られており、その程度は修正36週時点での酸素吸入または陽圧補助との関連があると考えられている

文献

1.Ehrenkranz RA, Walsh MC, Vohr BR, et al. Validation of the National Institutes of Health consensus definition of bronchopulmonary dysplasia. Pediatrics 2005; 116: 1353 -1360
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6.Wilson AC. What does imaging the chest tell us about bronchopulmonary dysplasia? Paediatr Respir Rev. 2010 Sep;11(3).

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
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