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1から5までに掲げるもののほか、ネフローゼ症候群

そのた、ねふろーぜしょうこうぐん

Other nephrotic syndromes

告示番 号25
疾病名20から24までに掲げるもののほか、ネフローゼ症候群
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概念・定義

ネフローゼ症候群は,糸球体毛細血管係蹄壁の障害により,高度蛋白尿,低蛋白血症と全身性の浮腫を生じる病態の総称であり,遺伝子異常に起因する先天性のものと後天的要因に発症するものがある。さらに,後天的要因によるものは原発性糸球体疾患によって発症する一次性ネフローゼ症候群と,何らかの基礎疾患に続発する二次性ネフローゼ症候群に分類される。
先天的要因によるものとして 1. 生後3か月以内に発症するフィンランド型先天性ネフローゼ症候群や、2. 生後3か月以降に発症するびまん性糸球体硬化症が知られるが、その他表1に示すような疾患が先天性ネフローゼ症候群の原因として知られている。
 一次性ネフローゼ症候群の原因としては、3. 微小変化型ネフローゼ症候群、4. 巣状性分節性糸球体硬化症、5. 膜性腎症などの頻度が高いが,その他に表2に示す疾患が原因として挙げられる。二次性ネフローゼ症候群の原因としては,小児では紫斑病性腎炎,ループス腎炎また,感染症に伴う急性糸球体腎炎症候群として発症する場合が多い。成人では糖尿病性腎症やアミロイド腎症などの頻度が高い。

表1 先天性・乳児ネフローゼ症候群の分類

原発性原因遺伝子( )内 遺伝子座
フィンランド型CNS(CNF)
びまん性メサンギウム硬化(DMS)
巣状糸球体硬化症
Denys-Drash症候群
Pierson症候群
nail-patella症候群
Herlitz致死型表皮水庖症
中枢神経奇形症候群
Galloway-Mowat症候群
微小変化型ネフローゼ症候群
膜性腎症
ミトコンドリア異常
その他
NPHS1(19q13.1)
WT1(11p13) PLCE1(10q23)
NPHS2(1q25-31)PLCE1 WT1 LamB2 (1q31)
LMX1B (9q34)
LamB3 (1q32)





二次性
感染症
 先天性梅毒,トキソプラズマ,マラリア,サイトメガロウイルス,風疹,
B型肝炎,HIV,
SLE

(Avner ED,et al: Pediatric nephrology, 6th ed, Philadelphia, Lippincott Williams & Wilkins, 601‐619,2009より改変)

表2 ネフローゼ症候群の原疾患

I. 先天的要因(遺伝子変異)によるもの
II. 後天的要因によるもの
 一次性ネフローゼ症候群
1. 微小変化型ネフローゼ
2. 巣状分節性糸球体硬化症
3. 膜性腎症
4. メサンギウム増殖性糸球体腎炎
5. 管内増殖性糸球体腎炎
6. 膜性増殖性糸球体自然
7. 半月体形成性腎炎
8. Alport症候群
9. その他:C1q腎症,C3腎症,フィブロネクチン腎症,線維性糸球体腎症など

二次性ネフローゼ症候群
1. 代謝性疾患:糖尿病性腎症,アミロイドーシス,クリオグロブリン血症など
2. 自己免疫性疾患・血管炎:ループス腎炎,紫斑病性腎炎,ANCA関連性腎炎など
3. 悪性疾患:悪性リンパ腫,多発性骨髄腫,固形癌など
4. 感染症:B型肝炎,C型肝炎,MRSA,HIV,梅毒,パルボウイルスB19感染症,マラリア,感染性心内膜炎,シャント腎炎など
5. 薬物:非ステロイド性抗炎症薬(NSAID),抗てんかん薬(トイメタジオンなど),抗リウマチ薬,インターフェロン,水銀,ヘロインなど
6. その他:うっ血性心不全,アレルギー(花粉,虫刺症,毒ヘビなど),肝硬変,腎静脈血栓症,妊娠高血圧症候群など


参考文献

1) Jalanko H, Holmberg C. Congenital nephrotic syndrome.In Avner ED, et al. (Eds). Pediatric nephrology, 6thed, Philadelphia, Lippincott Williams & Wilkins, 601-619, 2009
2) 厚生労働省難治性疾患克服事業進行性腎障害に関する調査研究班,難治性ネフローゼ症候群分科会編.ネフローゼ症候群診療指針(完全版).東京医学社,2012
:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児腎臓病学会
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