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未分化神経外胚葉性腫瘍(中枢性のものに限る。)(中枢神経系原始神経外胚葉性腫瘍)

みぶんかしんけいがいはいようせいしゅよう(ちゅうすうせいのものにかぎる。)(ちゅうすうしんけいけいげんししんけいがいはいようせいしゅよう)

Primitive neuroectodermal tumour of the central nervous system

告示番 号66
疾病名未分化神経外胚葉性腫瘍(中枢性のものに限る。)
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疾患概念

 中枢神経系胚芽腫に分類される脳腫瘍の一つである。テント上に発生し、未熟な神経外胚葉性細胞からなる組織学的に悪性の腫瘍である。脳脊髄液を介して髄腔内に播種しやすく非常に悪性度が高い。

疫学

 小児脳腫瘍は、年間10万人に3.5人の割合で発生するが、未分化神経外胚葉性腫瘍は、その2%程度である。

症状

 大脳の局所症状(けいれん、麻痺など)や増大すれば頭蓋内圧亢進症状(頭痛、嘔気、嘔吐)を呈する。腫瘍内出血により急激な症状の悪化を見ることもある。

治療

 同じ中枢神経系胚芽腫に分類される髄芽腫に準じて治療が行われる。すなわち、手術、放射線治療、化学療法を組み合わせた治療である。
 原発巣摘出術が積極的に試みられるが、部位的に困難な場合も多い。放射線感受性および化学療法感受性が比較的高い腫瘍であり、手術に引き続き、放射線治療と化学療法が行われる。
 化学療法は、髄芽腫に用いる抗がん剤である、シスプラチン、カルボプラチン、ロムスチン、シクロフォスファミド、イフォスファミド、ビンクリスチン、エトポシド、メソトレキセートなどを組み合わせた、多剤併用療法を繰り返し行う。
 放射線治療も髄芽腫に準じて行われるが、大脳という発症部位のために、照射部位や照射線量に制限を受け、十分な治療線量が照射できないこともある。

予後

 予後は非常に悪く、3−5年の全生存率は25-50%にとどまる。乳幼児の場合、放射線治療を避けることも多く、さらに予後は悪い。

文献

1)Cohen BH, Zeltzer PM, Boyett JM, et al.: Prognostic factors and treatment results for supratentorial primitive neuroectodermal tumors in children using radiation and chemotherapy: a Childrens Cancer Group randomized trial. J Clin Oncol 13: 1687-96, 1995.
2)Reddy AT, Janss AJ, Phillips PC, et al.: Outcome for children with supratentorial primitive neuroectodermal tumors treated with surgery, radiation, and chemotherapy. Cancer 88: 2189-93, 2000.
3)Timmermann B, Kortmann RD, Kühl J, et al.: Role of radiotherapy in the treatment of supratentorial primitive neuroectodermal tumors in childhood: results of the prospective German brain tumor trials HIT 88/89 and 91. J Clin Oncol 20: 842-9, 2002.
:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児血液・がん学会、日本小児神経外科学会
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