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上衣腫

じょういしゅ

Ependymoma

告示番 号53
疾病名上衣腫
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概念・定義

上衣腫は脳室、脊髄中心部の表面を覆っている上衣細胞から発生する。テント上とテント下では病理学的には同じ上衣腫であっても分子生物学的には異なる。病理所見では類円形核と境界の不明瞭な弱好酸性の細胞質を有する細胞がびまん性に増殖し、血管周囲性偽ロゼットや上衣ロゼットを形成するのが特徴的な所見である。退形成性を認める場合は退形成性上衣腫であり、上衣腫はWHO グレード IIであるのに対し、グレード IIIに該当する。

疫学

 日本脳腫瘍学会脳腫瘍登録(2001-2004年)によれば、40%は15歳以下に発症しており、5-9歳にもっとも多く、小児に多い脳腫瘍である。

症状

 発生部位により、症状は異なる。テント上に生じた場合は、頭痛やけいれんで気付かれることが多い。テント下の場合は、第4脳室が閉塞されることによる、水頭症の症状がみられる。脊髄の場合は背部痛や脱力、麻痺などの脊髄症状が認められる。

治療

 可及的な腫瘍摘出が基本となり、肉眼的全摘出か否かで予後が大きく異なる。部分摘出に終わった場合は、腫瘍を縮小させて二期手術で全摘するために、化学療法が有用な場合がある。これまでのところ、併用化学療法が予後の向上に寄与するとは考えられていない。標準的には、腫瘍摘出後、59Gy程度の局所放射線治療を行う。転移がない限りは全脳全脊髄照射は不要である。放射線治療は3次元原体照射が望ましい。

予後

 日本脳腫瘍学会脳腫瘍登録(2001-2004年)では、20歳未満症例の5年生存率は上衣腫72.7%(34例)、退形成性上衣腫66.3%(27例)であった。

文献

小児脳神経外科学 横田 晃監修、山崎麻美、坂本博昭編集、金芳堂 2009年

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児血液・がん学会、日本小児神経外科学会
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