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上咽頭癌

じょういんとうがん

Epipharyngeal carcinoma

告示番 号19
疾病名上咽頭癌
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概念・定義

おおよそ硬口蓋と軟口蓋の接合部の高さから頭蓋底までの上咽頭に発生する癌腫を指す。

疫学

東南アジアでは年間人口10万人あたり40人と高罹患率である一方、日本を含むそれ以外の地域では年間10万人当たり0.8人と低頻度である。男女比は3:1で男性に多いとされる。また、小児がん学会全数把握事業の集計結果によると、2009年では全小児がん2095例中2例、2010年では2065例中1例、2011年では1802例中1例と極めて稀である。

病因

EBV感染と密接に関わっているとされている。

症状

頸部リンパ節腫脹や鼻閉、鼻出血、耳閉、難聴、さらには視力障害や顔面神経麻痺などの脳神経症状により気づかれることが多い。

診断

病理学的検索に基き診断が確定される。組織学的に上咽頭癌はkeratinizing squamous cell carcinomaとnonkeratinizing squamous cell carcinoma、basaloid squamous cell carcinomaに分けられ、その内nonkeratinizing squamous cell carcinomaはundifferentiated subtypeとdifferentiated subtypeとに亜分類される。

治療

上咽頭癌は組織学的に未分化もしくは低分化で早期から転移をきたしやすく、確定診断時にはほとんどの場合で外科的切除が困難である。但し、一般的に化学療法や放射線療法に高感受性である。
欧米の標準治療はシスプラチン同時併用放射線治療+シスプラチンと5FUブースト全身化学療法である。本邦では、シスプラチン+5FU全身化学療法のインターバルを利用して放射線を照射する交替療法に加えて、近年ではシスプラチン、5FUにドセタキセルを加えたTPF療法を導入化学療法として施行する施設、さらには同時併用で施行する施設がある。放射線治療はリニアックが一般的であるが、強度変調放射線治療(IMRT)やトモセラピーなどの新機種による治療が普及しつつある。局所制御率としては同程度である。

予後

5年疾患特異的生存率は43.3%、5年無病生存率は34.8%との報告がある。

参考文献

頭頸部癌取扱い規約 (第5版) 金原出版 2012年

藤井良一, 冨田俊樹, 他. 上咽頭癌の治療成績および予後因子の統計学的検討. 日耳鼻. 115: 773-782, 2012

吉崎智一. 「第114回日本耳鼻咽喉科学会総合臨床セミナー」上咽頭癌診断治療の進歩-EBウイルス発見から半世紀間の歩み-. 日耳鼻. 116: 1175-1184, 2013
:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児血液・がん学会
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