18

成熟B細胞リンパ腫

せいじゅくびーさいぼうりんぱしゅ

Mature B-cell lymphoma

告示番 号86
疾病名成熟B細胞リンパ腫
診断手引き、医療意見書等のダウンロードはこちら

概念・定義

正常リンパ組織の構成細胞に由来した悪性腫瘍が悪性リンパ腫であり、多くはリンパ節原発であるが、ときに縦隔や消化管・皮膚などのリンパ節以外の組織から発生することがある。病理組織学的にホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫にわかれ、本邦小児では後者が圧倒的に多い。

疫学

小児悪性腫瘍において、本邦では白血病が最も多くを占めるが、悪性リンパ腫は脳腫瘍、神経芽腫についで多い。日本小児白血病研究会(JACLS)、東京小児白血病がん研究グループ(TCCSG)、小児癌・白血病研究グループ(CCLSG)、九州・山口小児がん研究グループ(KYCCSG)の日本を網羅する4グループの集計では1991年から2008年までの18年間で1,711例の非ホジキンリンパ腫が登録されている。さらに日本小児血液・がん学会の疾患登録においても年間100~140例の非ホジキンリンパ腫が登録されている。その発症年齢は白血病と異なり乳幼児期が少なく年長児に多い傾向がある。非ホジキンリンパ腫の中ではバーキットリンパ腫、びまん性大細胞B細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫の4病型で90%を占める。その他に濾胞性リンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫などがみられる。

病因

病因は未だに明らかになっていない。ときにEBウイルスが関与している症例もある。

症状

ホジキンリンパ腫と異なり、発熱・体重減少などの全身症状を呈することは多くない。リンパ節発生が60%で、節外発生が40%を占める。症状は原発部位により異なり、頸部原発では無痛性のリンパ節腫脹を呈する。T細胞性のリンパ腫では縦隔の腫瘤として発症し気管を圧迫したり、上大静脈を圧迫して顔面・頸部・上肢などの浮腫を伴うこともある。さらに胸水が貯留した場合には呼吸困難・起坐呼吸・胸痛などが出現する。B細胞性のリンパ腫では腹部原発が多く腹部膨満や腫瘤の触知、ときに腸重積で見つかることもある。

診断

治療

多剤併用化学療法が有効である。放射線治療は気管圧迫などで緊急避難的に使用する以外は適応になることは少ない。リンパ芽球性リンパ腫ではT細胞性急性リンパ性白血病と同様の治療が行われ、よい成績が得られている。本邦では小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)により限局例にはLLB03、進行症例にはALB03の治療研究がなされ、いずれも治療期間は約2年間であった。一方の成熟B細胞リンパ腫(バーキットリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)ではメソトレキセートを軸とした組み合わせのブロック型の治療により好成績が得られている。本邦ではJPLSG B-NHL03研究の結果がまとまったところである。治療期間は約6ヵ月である。成人で頻用されているリツキシマブは小児においてはまだ有効性の評価が得られていない。未分化大細胞リンパ腫では成熟B細胞性リンパ腫と同様にブロック型治療が行われている。標準的にはALCL99という国際共同研究で治療期間は約6ヵ月である。造血幹細胞移植は再発例や一部のまれな病型を除いて適応となるケースは少ない。

予後

化学療法の進歩により、限局性の病期の症例では病型にかかわらず90%以上の治癒率が期待できる。一方、進行病期の症例においては病型により異なるが成熟B細胞リンパ腫で80~90%、リンパ芽球性リンパ腫で70~80%、未分化大細胞リンパ腫でも70~80%の治癒率が期待される。しかしながら、難治の症例もときにみられ、これらの症例の抽出、治療の改善が期待される。
:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本小児血液・がん学会
成長ホルモン療法の助成に関して
低身長を認め成長ホルモン治療の対象基準を満たす場合は、小慢による成長ホルモン治療助成の対象となります。
成長ホルモン療法の助成に関しては下記を参照してください。
成長ホルモン療法の助成に関して
「小児慢性特定疾病の対象疾患について」に戻る