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IRAK4欠損症

あいらっくふぉーけっそんしょう

IRAK4 deficiency

告示番 号21
疾病名IRAK4欠損症
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概要

獲得免疫が未熟である乳幼児期に、肺炎球菌などによるinvasive bacterial infection(侵襲性感染症)を起こしやすく、死亡率が高い。乳幼児期の感染症対策が極めて重要である。

病因

IRAK4は、Toll-like receptor 、IL-1 receptor、IL-18 receptorからのシグナル伝達に重要な細胞内蛋白であり、IRAK4欠損症やMyD88欠損症では、これらのシグナル伝達障害によって、肺炎球菌などに対する自然免疫能が欠損する

疫学

IRAK4欠損症は、国内に10家系程度が確認されている

臨床症状

乳幼児期から化膿性髄膜炎、敗血症、関節炎/骨髄炎、深部組織膿瘍などの重症ないわゆるinvasive infectionが多い。化膿性髄膜炎などの重症感染症を繰り返すこともあり、また、早期から適切な治療をしているにも関わらず、急速に進行し救命できない例もみられ、重症感染症により約半数が死亡する。起炎菌は肺炎球菌、ブドウ球菌、緑膿菌、溶血連鎖球菌の4菌種がほとんどを占め、特に肺炎球菌感染症は40%程度を占める。他方、易感染性はしだいに軽くなり、8歳以降の感染症での死亡や14歳以降での重症感染症はないと報告されている。
新生児期に臍帯脱落遅延を呈することが多い

治療

肺炎球菌ワクチン接種による肺炎球菌の予防は極めて重要である。乳幼児期は抗菌剤投与による感染症の予防を行い、細菌感染症発症時には、できるだけ早期に有効な抗菌剤治療を行う。抗菌剤の静注は、感染症発症早期から積極的に考慮するべきである。乳幼児期のγグロブリン補充も有効であると考えられている

合併症

化膿性髄膜炎、敗血症、筋膜炎などのinvasive infectionは急速に進行することがあり、死亡率が高い。重症感染症に伴う後遺症、合併症がおこる

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本免疫不全症研究会
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