36

周期性好中球減少症

しゅうきせいこうちゅうきゅうげんしょうしょう

cyclic neutropenia

告示番 号9
疾病名周期性好中球減少症
診断手引き、医療意見書等のダウンロードはこちら

概要

周期性好中球減少症は常染色体優性遺伝性疾患であり、ほぼ全例で好中球エラスターゼ(ELANE)遺伝子に変異を認める。14~35日周期(多くは21日周期)で好中球が減少し、その際、感染症に罹患するが3〜5日で回復する。通常は年齢と共に自然軽快する良性疾患で、治療としてはST合剤による感染予防や口腔ケア等の支持療法がその主体となる。

病因

好中球減少時に骨髄球成熟障害を伴った骨髄低形成を認める。19番染色体短腕にあるエラスターゼ遺伝子(ELANE)変異が関与し、常染色体優性遺伝形式をとる。

疫学

1歳前後で発症し、性差はない

臨床症状

14~35日周期、最も多い例で21日周期で好中球が減少し、その際に発熱、咽頭炎、歯肉炎、口内炎などの細菌感染症が発症する。感染症の重症度は好中球減少の程度と相関するが、年齢と共にその重症度は軽快し、ほぼ30歳で消失する。このため、良性疾患と考えられるが、感染症による死亡例もある。特に、Clostridium septicumやグラム陰性菌による感染症は重症化し、好中球減少期に腹部の不快感や腹痛がある場合は、これら起因菌による感染症を疑うべきである。診断は、最低3~5日間続く200/μL以下の好中球減少が間隔をあけて、少なくとも3回以上に認められることであり、このため6~8週間にわたって週2~3回程度で好中球数を測定する。また、ELANE変異はほぼ全ての症例で確認され、診断確定に有用である。なお、間歇期の好中球数は2000/μLを超える。

治療

好中球減少の周期が推測できれば、ST合剤による感染予防を減少前から内服させることは有効である。また、好中球減少時のG-CSF投与も推奨され、これにより口腔内病変が改善し、敗血症のリスクも減少できる。なお、投与量は好中球数の底値が200/μL以上となるように調整する。一般的にG-CSF投与が慢性化することはなく、また、支持療法として口腔ケア、発熱時の抗菌薬投与は有効である

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本免疫不全症研究会
「小児慢性特定疾病の対象疾患について」に戻る