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先天性角化異常症

せんてんせいかくかいじょうしょう

dyskeratosis congenita

告示番 号51
疾病名先天性角化異常症
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概要

テロメア長の維持機能の障害を背景とし、爪の萎縮、口腔内白斑、皮膚色素沈着を3主徴とする先天性造血不全症候群である。古典的な先天性角化不全症の他に,最重症型であるHoyeraal-Hreidarsson症候群、Revesz症候群の他、不全型である再生不良性貧血や家族性肺線維症などが存在する。

病因

染色体テロメア長の制御に重要な遺伝子群の変異を病因とし、X連鎖性遺伝形式をとるDKC1(dyskerin)、常染色体性形式をとるTERC、TERT、NHP2、NOP10、TINF2遺伝子などの変異による。

疫学

日本においての患者数について報告されたものはないが、海外の登録事業から発症頻度は100万人に1人とされる。

臨床症状と検査所見

A.臨床症状
狭義な意味での先天性角化異常症は、骨髄不全および1つ以上の大症状と2つ以上の小症状を満たす場合に診断する。
1. 骨髄不全症
 1系統以上の血球減少と骨髄低形成を認める
2. 大症状(皮膚、粘膜所見)
 1)網状色素沈着
 2)爪の萎縮
 3)口腔粘膜白斑症
3.小症状(その他の身体所見)
 1)頭髪の消失、白髪
 2)歯牙の異常
 3)肺病変
 4)低身長、発達遅延
 5)肝障害
 6)食道狭窄
 7)悪性腫瘍
 8)小頭症
 9)小脳失調
10)骨粗鬆症
B. 検査所見
1. 染色体テロメア長の短縮
2. T細胞数の減少
3. B細胞数の減少
4. NK細胞数の減少と機能低下
5. 汎血球減少

治療

本症に対する根本的な治療法はないため、合併症に対するサポートが中心となる。軽症例では経過観察が可能である。骨髄不全に対する治療としては、再生不良性貧血の重症度分類による中等症の症例に対してはダナゾールなどの蛋白同化ホルモンを投与する。蛋白同化ホルモンの投与により、約半数の患者で一時的な血液学的反応がみられることがある。
重症と判断される場合には、現時点では同種造血幹細胞移植が唯一の治療である。近年、骨髄非破壊的前処置が行われるようになってきており、少ない合併症で血液学的回復を得る事が期待される。

合併症

肺線維症が10-15%、悪性疾患が10%の頻度で合併するとされている。
:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本免疫不全症研究会
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