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高IgE症候群

こうあいじーいーしょうこうぐん

hyper-IgE syndrome

告示番 号49
疾病名高IgE症候群
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概要

高IgE症候群は、黄色ブドウ球菌を中心とする細胞外寄生細菌による皮膚膿瘍と肺炎、新生児期から発症するアトピー性皮膚炎、血清IgEの高値を3主徴とする免疫不全症である。

病因

1型高IgE症候群は片アリルのSTAT3遺伝子異常によるが、主に散発性であり稀に常染色体優性遺伝形式をとる。2型高IgE症候群はTYK2遺伝子異常により、主に常染色体劣性遺伝形式をとる。DOCK8遺伝子異常による常染色体劣性遺伝形式の病型も存在する。

疫学

日本においての患者数について報告されたものはないが、20例以上と推測される。

臨床症状と検査所見

A.臨床症状:
1. 黄色ブドウ球菌を中心とする細胞外寄生細菌による皮膚膿瘍と肺炎
2. 新生児期から発症するアトピー性皮膚炎
3. 血清IgEの高値
を3主徴とする。1型と2型があり、1型の多くの症例で特有の顔貌、脊椎の側弯、病的骨折、骨粗鬆症、関節の過伸展、乳歯の脱落遅延などの骨・軟部組織・歯牙の異常を合併する。2型は、さらに細胞内寄生細菌とウイルス(単純ヘルペスウイルス、伝染性軟属腫)に対する易感染性、中枢神経合併症が見られる。DOCK8遺伝子異常のよる場合はウイルス(単純ヘルペスウイルス、伝染性軟属腫)に対する易感染性、中枢神経合併症が見られる。
B. 検査所見
 1. T細胞数は正常だが、Th17細胞は減少する
2. B細胞数は正常だが、特異的抗体産生は低下する
3. 血清IgEの高値
4. 画像検査にて慢性呼吸器感染像と肺嚢胞
 5. 骨密度の低下

治療

免疫不全状態の程度により、特に皮膚と呼吸器感染症(気管支拡張症や肺嚢胞)への予防と治療を行う。アトピー性皮膚炎様症状への皮膚科的な対応を行う。骨密度の低下がある場合、病的骨折の予防と対応を行う。

合併症

慢性呼吸器感染による気管支拡張症、病的骨折の合併に注意する。
:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本免疫不全症研究会
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