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毛細血管拡張性運動失調症

もうさいけっかんかくちょうせいうんどうしっちょうしょう

ataxia telangiectasia

告示番 号55
疾病名毛細血管拡張性運動失調症
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概要

毛細血管拡張性運動失調症(Ataxia Telangiectasia、以下ATと略)は、常染色体劣性遺伝形式をとり、運動失調と毛細血管拡張、細胞性免疫不全を呈する疾患である。

病因

11番染色体上のATM(Ataxia Telangiectasia Mutated)遺伝子異常による。常染色体劣性遺伝形式をとる。
類縁疾患として、Ataxia-telagiectasia like disease (ATLD)があり、MRE11遺伝子異常を伴い、常染色体劣性遺伝形式をとる。

疫学

日本では約10万人に1人程度の発症率と考えられている。

臨床症状と検査所見

A.臨床症状
1. 歩行開始と共に明らかになる歩行失調(体幹失調)
2. 小脳性構語障害と流涎
3. 眼球運動の失行、眼振
4. 舞踏病アテトーゼ
5. 低緊張性顔貌
6. 眼球結膜と皮膚の毛細血管拡張
7. 免疫不全症状(反復性気道感染症)
B. 重要な検査所見
1. αフェトプロテインの上昇
2. CEAの増加
3. IgG(IgG2)、IgA、IgEの低下
4. T細胞数の低下、CD4陽性T細胞中CD4+CD45RA+細胞の比率の低下
5. 電離放射線高感受性
リンパ球と線維芽細胞の染色体不安定性

治療

現在のところATに対する根本的治療はない。感染予防を行い、低ガンマグロブリン血症に対するガンマグロブリン補充療法を検討する。運動療法、言語療法や嚥下障害に対するリハビリテーションは重要であり、身体機能維持と周囲からの日常生活支援が必要である。

合併症

悪性腫瘍、特にT細胞性腫瘍の発生頻度が高い。
:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本免疫不全症研究会
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