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ウィスコット・オルドリッチ(Wiskott-Aldrich)症候群

うぃすこっと∙おるどりっちしょうこうぐん

Wiskott-Aldrich syndrome

告示番 号46
疾病名ウィスコット・オルドリッチ症候群
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概要

Wiskott-Aldrich症候群(以下WASと略)は、サイズの減少を伴う血小板減少、湿疹、易感染性を3主徴とし、主に男児に発症するX染色体劣性原発性免疫不全症である。

病因

X染色体上(Xp11.22)に存在するWASP遺伝子変異による。X染色体劣性遺伝形式をとる。
WASP結合蛋白質であるWIP (WASP-interacting protein) 遺伝子異常による常染色体性劣性遺伝形式をとるWASも報告されている。

疫学

X連鎖性WASは日本において約60例が登録されている。常染色体性WASは世界で1例のみである。

臨床症状と検査所見

A.臨床症状
血小板減少、湿疹、易感染性を3主徴とするが、全ての症状を呈する症例は少ない。血小板減少症のみの場合、X連鎖性血小板減少症と診断される。
1.血小板減少はほぼ全例で見られ、血便や皮下出血を伴う。
2. 古典的WASではT細胞、B細胞およびNK細胞機能低下のために乳幼児期から細菌、
真菌およびウイルス感染を反復する。
3. 湿疹はアトピー性湿疹様で、難治である。
B. 検査所見
1. 血小板サイズの低下を伴う血小板減少
2. T細胞数の減少、細胞性免疫能の低下
3. IgGは正常から低下、IgMの低下、IgEの上昇、多糖類抗原に対する抗体産生能低下
4. NK細胞機能低下

治療

出血傾向、感染症に対する対症療法を行い、必要時に免疫グロブリン補充療法を行うが、根治療法として同種造血幹細胞移植がある。

合併症

自己免疫疾患として自己免疫性溶血性貧血、血管炎、IgA腎症、関節炎、炎症性腸疾患の合併、およびB細胞性リンパ腫を主とした悪性腫瘍の合併が知られている。
:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本免疫不全症研究会
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