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オーメン(Omenn)症候群

おーめんしょうこうぐん

Omenn syndrome

告示番 号31
疾病名オーメン症候群
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概要

1965年にOmennによって報告された,新生児・乳児期に網内系および皮膚の細胞浸潤と好酸球増多を呈する疾患であり,現在は複合型免疫不全症を来すいくつかの疾患責任遺伝子産物の活性が残存している(hypomorphic)変異によって生じることがわかっている,

病因

RAG1, RAG2, artemis, IL7RA, RMRP, ADA, DNA ligase IV, IL-2RG, AK2のhypomorphic mutationや DiGeorge 症候群に関連して生じることが知られているが,原因の特定できない症例もある.T細胞機能不全にともなうSCID様の病態と,残存するT細胞のhomeostatic proliferationによるoligoclonalな増殖・浸潤による病態を示す.T細胞発育ないし機能不全は制御性T細胞への分化障害をも意味し,また胸腺髄質上皮細胞の発育障害をもたらす.その結果中枢性および末梢性免疫寛容の破綻にともなう自己反応性Tリンパ球の増殖・活性化をきたし,種々の自己免疫疾患を生じる.またTh2への偏奇により残存Bリンパ球によるIgE産生と末梢血好酸球増多が見られる.

疫学

2008年に行われた我が国での全国調査では4例が報告されており,きわめてまれな疾患である.

臨床症状

新生児期・乳児期にT細胞機能不全の症状として易感染性・体重増加不良・慢性下痢・肺炎などを呈する一方,紅皮症・リンパ節腫脹・肝脾腫などの細胞浸潤にともなう症状が出現する.湿疹はしばしばアトピー性皮膚炎と間違われることがある.末梢血好酸球が増多し,リンパ球数は低下ないし正常であるがオリゴクローナルである.血清IgG値は通常低下するが.IgEは高値となる.

治療

副腎皮質ステロイドホルモン薬やシクロスポリンAなどの免疫抑制薬は一時的には有効である.現在唯一の根治的治療法は造血幹細胞移植であり,早期に施行されなかった場合の予後は不良である.

合併症

尋常性白斑,乾癬,自己免疫性の血小板減少症・溶血性貧血・好中球減少症などの自己免疫疾患を呈することもある.

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日
文責
:日本免疫不全症研究会
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